「英語超独学法」を読んで、著者に興味を持ったので買ってみました。「英語超―」において、英語学習のアドバイスを英語上級者にありがちな綺麗ごとで終わらせなかった著者の、英語学習者に対する真摯な姿勢がそのままうまく反映されている本だと思いました。 まずタイトルを見て、「英文解釈の技術100」や、「ポレポレ英文読解プロセス50」などを連想する人がたくさんいると思います。そのような英文解釈書の範疇にこの本は位置しているし、実際扱っている文法項目やテーマの雑多性などは上記二冊を含んだ英文解釈書とあまり変わりません。量が多いくらいです。ただ、決定的に類書と差別化できる点が本書にはあるように思います。 普通、英文解釈の参考書というのは、まず真っ白な短めの英文が提示されていて、その後に図解などを用いて、「この文はこういう構造になっています」と説明した後に、和訳を提示する、というものです。ところが、本書はそれにとどまらず、「この文はちょっと工夫してこう読んだらすんなり読める」とか、「こういう文が出てきたらこういう文に置き換えると読みやすい(例:the extent to whichはhow muchに代えてみよ)」など、まさに英文読解の「テクニック」が惜しげもなく解説されています。その点でこの本は類書よりも人間的で実践的、さらに大学受験のことを考えると実戦的でもあると言えます。注意点は、この本は一つの英文中でテーマになっていないところの英文の解説がほとんどないこと。それゆえに、基礎力のない人には使いづらいだろうと予想できるので、これを使おうと思ったらその前に何かほかの文法を体系的に扱った参考書をワンクッション入れてからにした方が効率がいいかと思います。 構成は2ページ見開きで1テーマ完結。レイアウトもスッキリしていて読みやすく、好印象です。各テーマが終わるごとに暗唱用例文がついていて、それは各テーマで学んだ文法事項を使った10語前後の短い例文なので、気軽に短時間で理解度をチェックすることが出来ます。英文自体は「英文解釈の技術100」や「英文解釈教室」とかぶっているものがしばしばあるので、2001年の初版だからといって英文の新しさに期待するのはあまりよろしくないかも。どうやら、こういう類の参考書にうってつけの構文がとりにくい英文というのは、どうしても一昔前のものにならざるを得ないみたいですね。 最後に、「ここでひと休み」というコーナーで出たおもしろい英文を。I think that that that that taht student wrote on the blackboard is wrong.これ、正しい英文なんですよ。